PHARYNTEC社では、多数の医学関係者と緊密な連携を行っているため、高度な展開が可能となっております。例えば、弊社オリジナルの電気刺激を例とすれば、嚥下惹起に必要な感覚神経や嚥下関連筋を動かす神経の電気刺激に留まることなく、さらに将来への展開を考えております。
例えば、最近、口呼吸や鼻の粘膜の温度低下により免疫力が低下し、コロナウィルス、ライノウイルスなどによる感冒にかかりやすいことが分かってきたことから、睡眠時の電気刺激による口呼吸頻度の低減、あるいは鼻粘膜の温度上昇についても検討していきたいと思っております。
さらに、PHARYNTEC社に体力がついてからの話となりますが、深部の脳刺激への展開についても考えております。パーキンソン病など深部の脳電気刺激の要望は大きいですが、現在では手術により脳の奥深くに電極を埋め込む必要があるなど、誰もが簡単に刺激できるというような状況にはございません。それを、例えば、弊社の手法と原理は全く異なりますが、tACS(経頭蓋交流電気刺激)のように、頭皮の上から容易に刺激ができるようになればと考えております。
また、弊社技術の神経刺激の原理では、刺激部位の「狙い撃ち機能」がございますので、fMRIなどとの併用で、脳内の刺激位置を動的に移動させることなどにより、精神疾患などへの治療効果を上げることが可能となるかもしれないとも考えております。
PHARYNTEC社の医療機器の上市方針
弊社の技術を論文で完結させるつもりはもちろんなく、困っておられる患者さんの、少しでもお役に立てるように、早期の製品化/上市を考えております。
具体的には、電気刺激、深部体内音センサ、ベルトセンサなどは、共に個人(高齢者)のウェルネス(体調管理)のツールとして、例えば、「老齢の親が食べ物を飲み込みにくくなってきた」「夫(妻)のいびきがすごい」「夜間に息苦しい」など、運動神経由来、神経に連なる筋肉由来、自律神経系、呼吸器由来などのお困りごとについて、ご家庭で、ご家族やご自身がケアを行う際にお使いいただける、医療機器の承認をとらない機器としての販売を行って参りたいと思っております。
将来的に、医療機器の製販業の会社さまと協業がかないました際には、豊富なエビデンスを基に、薬機法に基づく医療機器承認を得た上で、上市の検討も行って参ります。