PHARYNTEC社の持つ技術の概要
論より証拠として、今までに弊社で試作・開発に成功した事例をご紹介いたします。
○三波干渉波式深部神経電気刺激装置
○深部体内音センサ
○ベルト式生体センサ -- 関連アイテム{子供のための”いじめセンサ”}
・eスポーツ向け”ヘッドホン装着型脳波センサ”
-- 関連アイテム{癲癇の方のための”ネックバンド型脳波センサ”}
・”耳メガネ”(超高性能聴覚補助装置)
・”筋電聴診器”
特に下の三品は、研究的な意味合いの強い起業前の試作品ですが、これらも併せて全ての試作品について、次項にて詳細に解説します。
三波干渉波式深部神経電気刺激装置
[Before] 加齢や疾病などの影響で、食物の飲み込みが不十分となる摂食嚥下障害の有病割合は、在宅高齢者の約2割に達するという統計があります。 同障害により、満足に栄養がとれないことによる体の抵抗力の衰退や誤飲性肺炎による入院など、健康寿命を縮める大きな要因となっています。 ここで重要なことは、摂食障害の方は嚥下に関する「神経」は正常な場合がほとんどで、神経が飲み込めと筋肉に指示を出しても、肝心の嚥下筋が衰退して動きにくく、十分な力が出ないため、上手く飲み込めない、あるいは肺の方に食物が入り、嚥下性肺炎を引き起こしたりしているわけです。 嚥下筋の増強には、いわゆる低周波治療器も有効ですが、実際にやってみると、痛くてとても我慢できるものではありません。 それは痛みを感じる神経が筋肉以上に刺激されることによります。 そのため、わが社では、神経活動の記述で定評のある「Hodgkin-Huxley」式を用いたコンピュータシミュレーションにより、三種類の複雑な波形を体内で干渉させ、深部の神経を痛みが少なく選択的に電気刺激し、嚥下筋を強化する装置の開発に成功し、特許も取得しています。また、実際にラットを用いた動物実験においても良好な結果が得られています。
[After] この装置が普及した場合、高齢者が嚥下力を取り戻せることから、体力が戻り、活動が活発となります。状況によっては、食事介助が不要となる場合もあります。 またこの装置では、嚥下筋周辺の発声に関する筋肉・表情筋も鍛えられることから、嚥下困難以外にも「滑舌を良くし」、「表情を豊かにする」効果、いわゆる若返り(アンチエイジング)効果があります。もちろん顔面だけではなく、電極の位置を変えることにより、全身の筋肉、それも従来機器の場合の表面の筋肉だけではなく、深部の筋肉から痛み無く鍛えることができますから、高齢者のサルコペニア(加齢による筋肉量の減少)の防止にも活用でき、健康寿命の延伸に大きく貢献することができます。 またこの技術を基に、深部脳神経(パーキンソン病、認知症)など、さらに高度な神経刺激についても、今後研究を進めて行く予定です。
深部体内音センサ
[Before] 弦楽器のか細い弦の振動音が音楽ホールを満たす音にまで増幅される「楽器の共鳴機構」(ヘルムホルツ共鳴器)を内蔵した特殊集音センサです。 肺の音(呼吸音)など、体内の深部の音を文字とおり「体表に吸い出す」ことができます。 最近は、電子聴診器のように電子的に増幅する聴診器も普通になりました。しかし、私も実際に確認しましたが、体の奥からマイクにまで到達しない音響信号については、いくら増幅したとしても「サ~」というノイズに阻まれて、聴くことができません。 特に、肺音は「ス~ハ~」と言う、いわば”風切り音”であり、まさに、そのノイズの帯域と被ってしまい、原理的にノイズとの分離は非常に困難です。 当社では、電子的な手法よりも、まずマイクの方を工夫すべきと考え、マイクを体に密着させつつ(音響インピーダンスを揃え)、体とマイクの間に楽器を模した小さな共鳴構造をもたせることにより、深部の体内音(深部肺音)を、非常に低ノイズで吸い出すことに成功しました(特許取得済)。 なおこのセンサは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断のため、医学部大学院の研究で使用された実績があります。
[After] このマイクの出力をスマートフォン等に接続することにより「遠隔聴診」が可能になります。広く普及した後は、文字とおり体温計感覚で、深部の肺音や気管支音のリアル伝送や記録することができるようになりますので、例えばCOPD(慢性閉塞性肺疾患)・肺炎・喘息等の早期診断及び治癒経過のモニタリングなどに活用することができます。 またこの装置は、肺音など以外に幅広く生体深部の音を採取できますので、例えば、手首や胸部から安定した「脈拍」の検出ができます。また、目立ちにくい首の後ろ側から低ノイズで「囁き声を検出」できるため、例えば、喉頭がん手術などによる声帯損傷の方の「声の復活」ができる可能性があり、検討を進めている所です。
ベルト式生体センサ
[Before] 皆さんは、特別の場合を除き下着を装着されていますし、さらにその上からズボン等のベルトをしておられる場合も多いと思います。 しかし、ベルトがきついと感じられる場合があっても、ベルトや下着のゴム「そのもの」が不愉快でたまらないと思われる方は少ないと思います。 理由は腹部の触覚(圧力感覚)が鈍感で、かつ、すぐ圧力に慣れることによります。 当社では、その特性に着目し、下着の内側にベルトに仕込んだセンサを装着することにより、入浴時以外24時間連続で、不愉快な感覚なく、心電等の生理データ(下記※参照)を計測することに成功しました。 実際に私も本ベルトをつけて生活してみましたが、従来の胸を締め付けるタイプのセンサや腕時計のセンサとは全く違い、センシングしていることを忘れて普通に生活ができ(睡眠を含む)、肝心の測定値についても、時折、体動によるノイズが入ることもありましたが、その他は特に問題なく、連続して安定した計測が可能でした。 特に電極やセンサの搭載されたベルト(写真参照)の、さらに上からベルト等で固定することが、「電極などの安定固定」という意味でも、大変有効でした。(特許取得済) ※実際に同時に連続計測に成功したものは「心電、呼吸、血中酸素飽和度、脈波、体温、腸音、体の動き(加速度)」です。
[After] このベルトが普及した際には、特に「高齢者の見守り(安否確認)」に有効と考えています。また、最初の開発動機が認知症の方に適用することでしたので、同症の方にも使用が可能です(設置補助・介助は必要です)。認知症の方は、体にセンサなどの“異物”が触ると、有無を言わさずに外されますが、不思議と本能からか下着は外さないことにより計測が可能となるわけです。センサは独立していますので、もちろん大人用のオムツの内側でも有効です。 両ケース共に、特に独居の高齢者の体調不良などを早い時期に家族等が知ることができるため、より健康寿命を延ばすことが可能となると考えております。
★関連アイテム{子供のための”いじめセンサ”}
本ベルトは子供のいじめセンサにも使えます。下着内部に仕込んだ各種センサにより「子どものストレス(内臓苦痛)を24時間見守る」ことができるわけですので。キーはストレスによる緊張状態そのものではなく「緊張状態から平常状態になるリカバリー速度」により精神の状況を判定することにあります。少しのストレスあるいは全くストレスが無い状態であっても「過緊張の状態が続く」ようであれば、保護者や先生にアラートを出す必要があります。もちろん学校だけではなく、家庭生活の方がストレスが強い場合もあります。 このセンサが下着の中に設置されていることがイジメに対しては特に重要で、それは、イジメの際にはスマートウォッチなどは真っ先に壊されるか盗られるからです。また、もし万一無理やり下着を脱がされる状態になれば(これは内部の加速度センサで検知可能です)、仮に生体データが正常であったとしても、これは100%イジメと判定できます。なお生体(ストレス)データはリアルタイムにサーバに暗号化してアップされていますので、第三者による削除改変は不可能です。 このセンサにより、本人がなかなか言い出せない陰湿なイジメを、じわじわと炙り出すことができます。
<eスポーツ向け”ヘッドホン装着型脳波センサ”>
eスポーツプレイ中の脳の活性度を測るために脳波センサをヘッドホンに装填したものです。 ※本モデルはポータブルプロジェクターを内蔵、周囲の壁や床に脳波をプロジェクションマッピングすることも可能! この脳波センサでは、プレイのために開眼していてもノイズが比較的少ないC3,C4の位置に、剣山型電極を設置して脳波を計測してます。 採取後の脳波は、最新のAIの手法である"Transformer"にてノイズを分離、解析を行っています。 応用例としては、例えばプロゲーマの試合中の脳波と、試合を観戦している自分の脳波のシンクロ状態を各自のスマホに表示することが可能です。 他にも、婚活系で相手との相性を、会話や食事の時の"脳波の同期度"により客観視することもできます。 また、単純に周波数を変換した自分の「脳波を聴く」こともできるので、そのことで精神を集中することができます。既に意識の高いプロアスリートは、脳波を使ったマインドトレーニングを実践していることが知られています。
★関連アイテム{癲癇の方のための”ネックバンド型脳波センサ”}
癲癇の発作が起こった際には突然意識が消失しますので、交通事故などの原因になりがちです。その発作ですが、いきなり出てくるわけではなく、直前に怪しい脳波(大振幅で低い周波数領域の脳波)が検出されますので、その段階で緊急退避が可能なのです。 この脳波センサでは、目立たないネックバンドタイプの骨伝導イヤホンに剣山状のゴム電極を仕掛け、眼球によるノイズが少ない「T3,T4,T5,T6」近辺の脳波を4ch同時に計測できることから、高度なディジタルノイズ除去も行え、確実に癲癇発作の直前脳波を検出できます。 また、同じ仕組みで、長距離運転などの居眠りセンサにも使用可能です。いくら頑張っても脳波はごまかせませんので非常に有効となります。
<“耳メガネ”(超高性能聴覚補助装置)>
昆虫の触角のように前方に突き出たマイクが特徴の聴覚補助装置(耳メガネ)です。マイク位置から外耳道に音が到着するまでの約1msの間に、超高速ディジタル処理を行い、前方からやってくる人声など環境音に様々な処理を行った上で骨伝導イヤホンにより再生し、環境音と処理音を外耳道で混合合成させることにより、自然に聴き取りやすい音なるように修飾します。聴覚が不自由な方や高齢の方に自然な聴こえを復活させることができます。
<“筋電聴診器”>
eスポーツなどによる筋肉の疲れなどについて、筋肉の収縮により発生する微細な筋電を「直接音に変換して聴く」というものです。 筋肉の収縮音である"筋音"と"筋電音"が同時に聴き取れることから、高度な筋肉のセルフケアが可能となり。 なお、筋電と同期した発光装置が付属しており、筋電が実際の体の動きよりも、数百ミリ秒「先に」発生していることも確認できます。